ハーフタイムに入ってJさんが「もういいよ。後ろじゃなくて試合見なよ・・・。」ポツリとささやいた。4年前フランスまで行きながらスタジアムに入れなかった彼女。こんなはずじゃないと今にも泣き出しそうな悲しい顔をしている。
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国家斉唱が終わり、いざ試合が始まると、まさかとは思ったが予想通りの展開。自分がいる210ゲート上のブロックは立ってはいるものの、声は限りなくゼロ。隣のブロックなど、「おーい見えないぞ、座ってくれい」の声で全員着席。もちろんダンマリ。
これがチケット1枚に20万の値がつくような試合の雰囲気なのだろうか。これが初勝利を目指すホスト国のサポーターなのか。サポーターという表現すらおぞましい。おまえらみんな観光客じゃねーか。
やるからには勝ちたい。ホストとして出場するからには勝たなければならない。
「俺は浦和の人間であるが日本国民でもある」そう覚悟を決め、全力で周囲を煽った。南北で叩かれる太鼓に神経を集中し、声出しの基点となって応援をリード。試合は半分ぐらいしか見られなかったが、いつものように結果のために100%ファイトした。
それでも反応は悪かった。同点に追いついてようやっと声が聞こえるようにはなったが、響くのは声援ではなく、歓声。
そしてそれは逆転しても変わらなかった。普通、圧倒的ホームでひっくり返したらそのままノリノリでいけるだろ・・・。
自分を殺してまでも全力で鈴木や柳沢を応援したっていうのに、結局勝ち点2を失って終わってしまった。サポートが足りずに選手が最初からトップギアでいけなかったのが本当に残念でならない。
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日本人は、自国開催によって何を残そうというのだろうか。
予選免除で失われたプライド。
事なかれ主義で失われた異文化との交流。
チケット騒動で失われた夢。
俺達はこれからも浦和のために全力を尽くせばいいんだ。
本当のワールドカップは4年後にドイツで楽しむことにしよう。


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